こんにちは、今回は模試の受け方についてです。
模試は、せっかくお金をかけて受けるものなので、できるだけ有用なものにしたいですよね。
『本番は練習のように、練習は本番のように』とはよく聞きますが、具体的にどうすればいいのかは自分では気づきにくいところです。
「雰囲気に慣れる」と言っても、司法書士試験のような年1回の試験では模試と本番の雰囲気はだいぶ違いますし、焦り方も違ってきます。
なんとなく受けてしまっては、点数が取れずただ自信をなくすだけの結果になってしまうことも。
そうしたことのないよう、今回は、私が実際に体験して良かったと思う模試の使い方を紹介していきます。
あえて睡眠不足(体調不良)で受験する
あえて体調不良で、特に睡眠不足のまま模試を受験したのは、とても良い体験になりました。
良かった点はコチラ
- 体調不良(睡眠不足)でも、なんとでもなるという安心感を得た
- どういうミスをするのか、どういう読みとばし方をするのかに気づけた
筆者の場合、『2時間睡眠』『隣県の受験会場へ車で移動』かつ『腹痛あり(眠れないときに下痢をする傾向がある)』という異常状態で模試を受けました。
その結果発見したこと、良かったことをそれぞれ詳しく解説しますね。
体調不良(睡眠不足)でもなんとかなるという安心感を得る
睡眠不足で模試を強行したことによって、まあ睡眠不足でもなんとかなるという安心感を得ることができました。それもあって本番はぐっすり眠れました(*’▽’)。
そもそも本試験では、そのプレッシャーから、前日眠れないというトラブルが頻発します。
初年度の方もそうですし、むしろ勉強が進んで「本番で力を出すだけ」という自信ある受験生の方が、前日眠れないことがよくあるように感じます。
合格できる実力があると、合否が当日の自分の手だけにかかっていることを、より大きく感じるので、初年度や合格ラインギリギリの『当たって砕けろ』な受験生よりも緊張や不安が大きくなってしまうことがあるのですよね。
こうした部分は、実力ある受験生が不合格になってしまう理由の一つだと思います。
ですので、睡眠不足や体調不良は予測不能のトラブルとするのではなく、試験の一環として対策してみようという話です。
これに対し「試験はあくまで知識を問うべきだ」という意見もあると思います。
しかしながら、特に司法書士試験は『実務家登用試験』とも言われていますし、仕事に出てからは「睡眠不足でミスしました」は通用しませんよね。
本試験も当然「睡眠不足で力が出せませんでした」は通用しません。対策できることはやりましょう。
そこで、模試で練習です。
あえて睡眠時間を削って受験することで
- 最低限、本当に必要な睡眠時間を知る
- ある程度は眠れなくても何とかなるという安心感を得ておく
という経験値が得られます。
もちろん、しっかり眠るためのリラックスも別で行いますが、体調不良でもなんとかなると知っておくと精神安定のために良いでしょう。
どういうミスをしやすいのかを見つけやすい
コチラをご覧ください。
左が、睡眠不足模試を経験するより前の、問題を解いていたときの用紙のイメージ。
右が、睡眠不足の模試で問題を解いたときの用紙のイメージです。
実際の当時の模試が残っていなかったため、当時を再現して作成したものです(なお、令和5年本試験第7問を使用しています)。
少し極端な再現ですが、睡眠不足の時の方が、眠気に対抗するために必死で、メモが増えたのですよね。
問題文の、例えば時効完成『後』などの正誤判断に関わる部分を確実にチェックするようになり、その後は正誤の回答ミスや、読みとばしがかなり減ったのです。
結果的にこれが大きな発見になりました。もっと早く気づけただろうと言われれば、そうです(笑)
嘘のような話ですが、先に左側の再現ページを作成したときに『誤っているものの組合せ』を読みとばしました。正しいものを選んだため、2と回答して間違えています。
メモの量に限りませんが、睡眠不足などで弱っているときは、その時に最も効率よい動きをしようとするので、自分の陥っているミスのパターンが見つかるかもしれません。
メモの量に限らず、大事なのは自分のミスパターンを見つけて駆逐することです。
これを機に、ミスの『原因』を追究する癖をつけると良いでしょう。
体調万全で点数を取りに行く回を作る
しっかり準備して、模試で点数を取っておくことも自信につながるので大切です。メンタルを安定させるためです。
ただし、これは基準点を充分に超えることができるようになってからの話で、初年度の方は難しいかもしれません。
大事なのは、本記事のタイトル通り『自分に合う目的意識を持って』受験しようということです。
意味もなく受けるのなら受験会場に行くだけの時間がもったいないです。
多くの人が受ける模試は受けておく(会場、自宅問わない)
多くの人が受ける模試を受けておくことも試験対策として有効です。
多くの受験生は、模試で経験した問題は間違えないので、特定の模試を多くの人が受けるということは、模試で出題された論点は、本試験での正答率が上がるということです。
その問題を間違えると、それだけ他の受験生よりマイナスになってしまうのです。
この意味では、受ける人数が少ないマイナー予備校の模試よりは、受験者数の多い大手の模試を受けた方が良いです。
全体の論点をしっかり理解しているのであれば、こうした模試によるピックアップに頼らる必要はないのですが、それでも最も多くの受験生が受ける模試の論点くらいは拾っておくと、当日の安心感にもつながると思います。
模試は、本試験の予想問題集として有用
繰り返しになるようですが、各予備校さんは本当に優秀で、模試は予想問題集という意味でもかなり有用なのですよね。
毎年、模試や予想問題としてピックアップされた論点はいくつか本試験でも出題されています。(まあ模試の数も多いので、どこかしら出るというのもあります。)
(可能なら直近のデータを拾いたいのですが、本ブログではそこまでの余裕はありません。各予備校のデータをご検索ください。)
なお、逆のことを言うようですが、模試には覚えなくていいような論点も出題されます。
本試験同様、誰も分からないようなメンタルを揺さぶる未出の論点が出題されることがあるのですよね。
これに関しては、模試に必ずセットになる解説を一度読むか講師の解説を必ず聞くようにしてください。覚える必要の無いところにリソースを使う必要はないです。
まとめ 補足
初学者の方は、雰囲気を感じにとりあえず1回行くのも良いでしょう。
何を目的とすべきか、何がわからないかがわからない状態の初学者であれば、目的意識もなにも無いと思いますので。
もちろん、他の資格の受験経験があるならば(ブランクがなければ)、試験の雰囲気がどうとかはある程度分かっていますよね。
そんな場合は雰囲気を感じるだけの目的は持つ必要が無いので、とりあえず行くという必要はないでしょう。
重ね重ねですが目的をもって受験することが大切です。
蛇足ですが、筆者は6回目での合格で、模試を現地で受験したのは合格した年の数回だけです。
本試験を5回経験しているので雰囲気の経験等はもう充分だったのですが、本記事で紹介したような、目的意識を持っての受験は早めに経験しておくと良かったなと思いました。
少しでも参考になれば幸いです。